こんにちわ!KENG(ケングー)【@Grimpeur_KENG】です!
以前、中枢神経レベルにおけるカフェインの薬理作用についての記事を書きました。↓↓
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今回は、心臓や血管レベルにおけるカフェインの薬理作用についてです。
イメージとしては、心拍数を上げて、各組織に酸素と栄養を行き渡らせて、ポテンシャルを引き出すようなエナジードリンクの働きでしょうか?
はてさて、実際のところはどうなんでしょうか。
アデノシンの心臓や血管
に対する薬理作用
まず過去の記事でも紹介しましたが、カフェインは、アデノシンと拮抗することで薬理作用を発揮します。↓↓
つまり、カフェインの心臓や血管レベルにおける薬理作用に関しては、アデノシンが心臓や血管のアデノシン受容体と結合して、どのような薬理作用を発揮するのかを理解していけば、自ずとカフェインの拮抗作用もわかってくると思われます。
[心臓に対して]
まず、心臓における薬理作用に関しては、アデノシン受容体の中でも、A1受容体を介するものがほとんどのようです。
アデノシンは、心臓のA1受容体を介して、徐脈作用(心拍数減少)や房室伝導抑制作用、心収縮力抑制作用などの陽性変時作用と陽性変力作用を引き起こすとされています。
(Olson RA,Pearson JD:Cardiovascular purinoceptors.Physiol Rev 1990:70:761-845)
[血管に対して]
一方の血管における薬理作用に関しては、A1およびA2受容体を介し、血管拡張作用または血管収縮作用のいずれかを引き起こすと考えられています。
「いずれか」というところがポイントで、これは各々の血管の場所によって引き起こされる作用が異なってくるようです。
(例えば、脳の血管は拡張するのに、末梢の血管は収縮するように。)
この理由としては、各血管によって発現している受容体の割合が異なるため、同じ1つの物質でも引き起こされる作用が血管によって違ってくるということらしいです。
(Oguchi T,Furukawa Y,Sawaki S,et al:Arenegative chronotropic and inotropic responses to adenosine differentiated at the receptor or postreceptor levels in isolated dog heart? J Pharmacol Exp Ther 1995;272:838-844)
(Tabrizchi R,Bedi S.Pharmacology of adenosine receptors in the vasculature.Pharmacol Ther 2001;91:133-47)
カフェインの心臓や血管
に対する薬理作用
カフェインは、このアデノシンの作用に拮抗するように働きかけるので、心臓に対しては、心拍数を増加させ、心収縮力も増加し、結果的に心拍出量の増大も引き起こすと考えられています。
約500㎎を超える量を摂取した場合、症候性頻拍を引き起こし、不整脈が現れることもあるという研究結果もあり、欧州食品安全機関(EFSA)では健康な成人の悪影響の出ない最大摂取量を1日400㎎としています。
血管に対してもカフェインは拮抗的に作用するので、血管の場所によって、収縮したり、拡張したりといった作用を引き起こしますが、特にカフェインの脳血管収縮作用は、頭痛の症状を緩和すると考えられており注目されています。
(頭痛のメカニズムは諸説あるようですが、現在有力とされているのは「血管拡張説」で、ストレスや炎症によって脳血管が拡張すると、隣接する三叉神経を圧迫し頭痛が生じると考えられています。この拡張した脳血管をカフェインが収縮させることで頭痛が緩和すると考えられているようです。)
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