~ 珈琲による第2の人生 ~ You Only Live Once

【埼玉】の《珈琲好き》。趣味である〈喫茶店巡り〉、〈カフェ巡り〉、〈珈琲の探求〉、〈蔵書紹介〉について情報を発信《☆YOLO☆》

珈琲の保存方法について

 

こんにちわ!KENG(ケングー)@Grimpeur_KENG】です!

 

 珈琲豆というものは、どうしても焙煎直後から徐々に劣化してしまうので、適切な保存の方法を理解しておかないと劣化のスピードが早まってしまいます。

 

この劣化のスピードは、水分、酸素、光、温度、豆の状態等によって大きく左右されていきますが、裏を返せば、これらの要因をしっかり理解することで、珈琲を適切に保存することも可能です。

 

そこで今回は先日のコーヒーインストラクター検定の講習会で学んだ珈琲豆の保存についての知識を整理して、皆さんに紹介していきたいと思います。

 

以下、コーヒーインストラクターの教本内容も参考にしつつ列挙していきます。 

 

珈琲の保存容器

 

【 水分 】

劣化速度に対する水分の影響は、酸素や光等の要因よりも一番大きいと言われています。


焙煎した豆や挽いた粉に含まれている水分は、最大でも3%程度と言われており、この状態は極めて低い相対湿度に相当するため、空気中の水分を吸湿する能力が非常に高いです。

 

特に空気中の湿度が35%以上を超えると著明に吸湿する性質があるようですが、日本では基本的に通年におよび平均湿度が高い(50~70%)ので、日本に住んでいる限り吸湿のリスクは避けられないということになります。

 

また、そうして空気中の水分を吸湿した場合、およそ1.5%の水分含有量が増加するだけで、劣化速度は1.6倍になるという報告もあるようです。

(Labuza,T.P.,Cardelli,C.,Anderson,B.,and Shimoni,E.,Proc.19th ASIC Colloquium,2001)

 

 これが粉の状態に挽いた珈琲豆の場合、表面積が大きくなる分、吸湿性もさらに早まってしまいます。

 

いずれにせよ、ガスバリア性の高い包装等による保管によって乾燥を保ち、水分の吸湿を遅らせることが必要考えられます。

 

【 酸素 】

酸素がコーヒー豆に与える影響は、低濃度側で大きく影響があります。

 

ある論文では酸素濃度が0%から1%の間で劣化速度が10倍変わり、5%以上ではほぼ大差がないという報告例があるようです。

(Labuza,T.P.,Cardelli,C.,Anderson,B.,and Shimoni,E.,Proc.19th ASIC Colloquium,2001)

 

我々は常日頃から空気中の酸素を利用して呼吸をしていますが、この空気中には約21%の酸素が含まれているので、徹底した脱酸素をしない限り、酸素の影響を取り除くのは難しいと言えます。

 

珈琲豆専用に限らず、家庭用の真空包装機はネットで15000円前後で販売されていますが、脱酸素の追求のために、これを全ての家庭に普及させるのは無理があるので、一般家庭においては酸素の影響は許容して良いと私は思います。

 

【 光 】

光の中でも、特に紫外線が珈琲の色調や風味に影響を与えると言われています。

 

油脂類の酸化変質の指標の1つに過酸化物価(POV)と言うものがあるのですが、1ヶ月の間で蛍光灯下および紫外線下で珈琲豆を保存した場合、暗所で保存した場合と比較して蛍光灯下では約2倍弱、紫外線下では5倍弱の過酸化物価(POV)の数値の違いがあると報告されております。

(中林義晴,"食品保存便覧 コーヒー”,(株)クリエイティブジャパン,1992.)

 

数字的に見れば、雲泥の差ががあり少し動揺してしまうかもしれませんが、実際は過酸化物価(POV)の数値が30倍ぐらい変化していないと人間の味覚では感じにくいと言われています。

 

学術的には直射日光や蛍光灯の明かりを通さない容器で保存することが望ましいと言えますが、何か月も保存したり、または㎏単位で珈琲豆を購入することがない限り、一般家庭においては透明な容器でも支障はないかもしれません

 

【 温度 】

温度に関しては、水分や酸素の影響と比較して相対的に小さいという指摘があります。

(Labuza,T.P.,Cardelli,C.,Anderson,B.,and Shimoni,E.,Proc.19th ASIC Colloquium,2001)

 

おおまかに10℃温度が上がると劣化速度は2倍に、-10℃では劣化速度は1/2倍になるので、学術的には高温はなるべく避けることが望ましいと思われます。

 

上述した報告もあって、従来は冷蔵・冷凍保存の有効性が指摘されていました。

 

コーヒーインストラクター検定の講習でも、保存の観点からみれば、冷蔵・冷凍保存の有効性は高いとの見解ですが、それにはガスバリア性の高い包装で未開封という条件でなければいけないと指摘しています。

 

冬場の窓に発生する結露を思い出してみて下さい。

空気は高い温度の時ほど、多くの水蒸気を含むことができます。

各温度で最大限含みうる水蒸気の量を「飽和水蒸気量」と言いますが、結露のメカニズムは、暖かい水蒸気を含んだ空気が、窓際で冷やされることによって「飽和水蒸気量」のキャパが少なくなり、余った水蒸気が水滴に変化することで発生します。

 

冷蔵・冷凍庫内から取り出したばかりの珈琲豆は、そのまま使用すると抽出温度が低下してしまうため、常温に戻す必要があります。

 

ですが、常温に戻している間に上記のような結露の現象が珈琲豆に起こってしまい、珈琲豆周囲に生じた水分を豆自身が吸湿してしまうリスクがあるのです。

 

そのため、冷蔵・冷凍保存に関しては、ガスバリア性の高い包装で未開封という条件でなければならないようです。

 

たとえ開封前であってもガスバリア性の低い包装であったり、または開封後の包装で冷蔵・冷凍保存した場合、庫内の異臭も吸収する可能性があるので、冷蔵・冷凍保存に関しては総合的な判断が必要との見解みたいです。

 

なので、一般家庭においては風通しの良い棚などで、常温で管理するだけで十分なのではないかと思います。

 

【 豆の状態 】

焙煎した珈琲豆は、挽くことによって香りがたちます。

 

つまり粉にすることによって、炭酸ガスとともに香味成分も放出されてしまうのですが、同時に表面積も増加するので水分の吸湿、酸素の影響もより受けやすくなります

 

保存の観点から考えれば、珈琲豆は挽かないで豆のまま保存したほうが良いと言えます。

しかし一般家庭においてコーヒーミルがない家庭は多く、またミルで挽く時間を面倒と感じる方もいるかと思いますので、利便性で考えれば、挽いた粉をガスバリア性の高い包装で保存すれば許容できると思われます。

 

先日、あるyoutuberの発言でTwitterが荒れましたが、それは美味しさと利便性の観点のメリット・デメリットを区別せずに説明してしまったこと、さらに「粉で買うことを腐った野菜や肉を買うことと同じ」などの表現で非難してしまったことが原因だと思っています。

 

珈琲について発信している我々のような人達は、各々のメリット・デメリットについて正しく情報を伝える責任があります。

 

挽きたての美味しさを広めたい、視聴数獲得、差別化を図る等の気持ちはわからなくもないのですが、過大な表現で中傷してしまったことは同じ愛飲家として失望に堪えません。

 

粉で保存することの美味しさと劣化のデメリットと、珈琲豆をその都度挽かなくてよい利便性を天秤にかけるのは、あくまで消費者であって、美味しさを伝えたいがために過大な表現で強要することは間違っている気がします。

  

まとめ

さて、少し話が反れてしまいましたが、結局のところ、珈琲豆の経時的変化は完全に避けることはできず、どれだけその変化を遅らせることができるかというところがポイントになってきます。

 

①どこまで経時的変化を許容するか。

②どの程度のコストをかけるか。

③どの程度の期間で珈琲豆の消費を考えているか。

 

これらを総合的に考えて各家庭にあった保存方法を吟味する必要がありますが、私としては煎茶の茶葉などを保存する茶筒や市販のゴムパッキンのついたキャニスターなど保存で十分代用できるのではないかと思っています。

 

おまけ

珈琲豆の劣化について誤解のないよう理解してほしいと講習会で指摘されたのですが、焙煎した豆の劣化は単純に油脂の酸化が原因ではないと言っていました。

 

焙煎した豆に劣化は、まず⑴炭酸ガスや香気成分の揮発、そして⑵香気成分の化学的変化によって香気成分のバランスが崩れていき、その後遅れて⑶油脂成分の酸化がゆっくりと起こってくるそうです。

 

研究結果を載せた論文などはまだされていないそうですが、提携している大手の珈琲商社での研究結果で少しずつ明らかになっているそうなので大変興味深いですね。

 

あわせて読みたい

www.grimpeurkeng.com

www.grimpeurkeng.com

www.grimpeurkeng.com

www.grimpeurkeng.com

【スポンサーリンク】