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【埼玉】の《歯科医師》。趣味である〈喫茶店〉、〈本〉、〈珈琲〉について情報を発信《☆YOLO☆》

珈琲の『抽出の原理』を考える

 こんにちわ!KENG(ケングー)@Grimpeur_KENG】です!

 以前、「『おいしい』珈琲の3つの秘訣」を紹介しました。

keng.hatenablog.jp

 

今回は一歩踏み込んで、珈琲の『抽出の原理』を紹介したいと思います。

まとめてみて非常に難しかったのですが、自分なりに本を読み、何度も抽出した経験を生かして、わかりやすく説明していきたいと思います。

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はじめに

 珈琲の抽出は「成分の移動」です。

 

挽いた粉に湯を注ぐと珈琲に含まれる成分湯に移っていきます

 この工程を「抽出」と言います。

 

そして珈琲の抽出は大きく2つの過程から成り立っています。

 

『抽出の原理』第一の過程!

 第一の過程は、粉の表面湯の間で起こる珈琲の成分の移動です。

 

 ・粉の中には、苦みや酸味、甘味をつかさどる各成分がたくさん詰まっていますが、今回はわかりやすく、ミルで挽いた珈琲豆の粉粒子の中に「一つの成分がぎっしり詰まっている」仮定して説明していきたいと思います。

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(右側が珈琲粉粒子の子の拡大図で、白い◯の一つ一つが「成分」を表している)

 

・まず粉に湯を注ぐと、粉粒子の表面にある赤い丸で囲まれた成分が、粉粒子から湯へ移動します。

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赤い丸は粉粒子表面に位置する成分。青い丸は粉粒子中心部に位置する成分。)

 

この粉粒子から湯への成分の移動は、湯の中の成分濃度が薄いほど、速く移動が起こります。

 逆に、湯の中の成分濃度が濃ければ、粉粒子から湯への成分の移動は遅くなります。

 これは濃度勾配というものに準じて移動が起こっていると考えて頂ければ良いかもしれません。

 

『抽出の原理』第二の過程!

 第二の過程は、「粉粒子の中心部から粉粒子の表面への成分の移動」です。

 

・第一の過程で、粉粒子の表面の成分湯に溶けだし、粉粒子の表面はスペースが空きます。

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(粉粒子の表面は成分が溶けだし、スペースが空いている)

 

・すると空いたスペースを埋める形で、青い丸で囲んだ粉粒子の中心部の成分が、粉粒子の表面移動します。

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(粉粒子表面の成分はの中に溶けだし、そのあいたスペースを埋める形で粉粒子中心部の成分が表面に移動してくる。表面に到着したら、第一の過程で説明した湯の濃度勾配に準じて成分の移動が起こる)

 

この第二の過程の成分の移動はゆっくりと進行するのが特徴です。

  

例えば、第二の過程の抽出同じ抽出湯量(100ml)で二つの方法で行ったとします。

短い時間(1分程度)で抽出

時間をかけて(5分程度)抽出

 

すると、この第二の過程の抽出成分が多いのは、②の時間をかけて(5分程度)抽出するほうが多くなります。

 

これは第二の過程の粉粒子中心から粉粒子表面への成分の移動が非常にゆっくり起こるので、同じ抽出湯量でも、抽出時間が短いと粉粒子中心から粉粒子表面成分が到達する前に、湯が落ちきってしまうからです。

  

長けりゃ良いってもんじゃない!

 じゃあ時間をかけて抽出すれば、各成分がより多く抽出され『おいしい』珈琲ができるじゃないか!と思うかもしれませんが、実はそうではありません。

 

粉の中に含まれている成分には、雑味えぐみ「もと」となる成分も含まれています。こういった味を損なわせる成分は抽出後半の第二の過程で多くなってきます。

 なので、なるべくこういったマイナスな成分は抽出しないようにしなければなりません。

 

かといって、第二の過程の抽出時間を短くしすぎると、マイナスな成分が少なくなる一方で、残存している苦味や甘味といった珈琲の核となる成分が抽出しきれず、最終的に珈琲の『おいしい』成分の総量が減ってしまい、味が薄っぺらくなってしまいます。

(また多少の雑味が、案外良いアクセントになって『おいしく』なることもあります。隠し味的な要素があるのも珈琲の難しくも面白いところ。)

 

粉粒子に接している湯をイメージして、湯量と湯の滴下スピードをコントロールし、雑味やえぐみの「もと」となる成分の抽出を最小限にし『おいしい』成分だけを最大限に抽出する。

 

しかも、生豆の品種や、収穫された年、微気象、焙煎度合いによって、成分の総量や移動スピードが異なってくるため、毎回同じ抽出で良いというわけにはいかないのです。

 非常にはてしなく、難しい技術ですが、これが珈琲の醍醐味でもあると思います。 

 

まとめ

 いかがでしたか?

 

粉と湯の間でどういった反応が起こるかを想像しながら、珈琲を抽出すると、より『おいしい』珈琲に近づけることができると思います。

 

今回、参考にした書籍は、『コーヒー「こつ」の科学』

 客観的な視点で珈琲を考えることができるので、おすすめですよ。

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